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■■「パク・ムリン氏レクチャー」(2月2日)からのレポート■■
2月2日土曜日の夕方近く、リーナさんに続いて行われたレクチヤーにはムリンさんの作品や考え方に触れたいという方々が集まり、韓国語・英語・日本語が飛びかう賑やかなレクチャーとなりました。
まず、どうやって作品を展開してきたのかを話したい。私は作家というよりも、何かを見つける発見者だと思う。新しいことを見つけ出すことを重要だと思っているし、作品をつくる時、身の回りの環境を考え、一番複雑なものをテーマにしてつくっている。生活の中で使われるものは人間がつくったもの。それに関心を持ち素材として使う。単に作品をつくるということより、どのように考えを発展させていくかに重点をあてている。聞いている人と話している人との場所が離れているように、展示されている作品と観客が離れていることに疑問を投げかけたいのだ。
どうすれば美術の持っている問題を解決できるのかについて話したい。私は精神分析的・経験的要素をどうやって分析するかが作品だと思っている。フロイトの無意識世界に関心を持ち、どう影響を受けたかを話したい。私の作業では、天才性よりも論理的につくることができたか否かで成功か失敗かを判断する。なぜならコンセプトアートに影響を受け学んだからだ。全てのものの見方を変えること、すなわち論理的展開に置き換えると違って見える。つまり最終的に完成した作品よりも、つくりあげる過程をとても大事にしている。
何か素材を見つけた時には、どういうふうに表現し伝えようか考える。人がつくったものには思いが込められている。ものには文化的・政治的に何かが必ず込められている。作品を通して身近なものを見た時に、果たしてどのような工程があったのか、次にものに込められた思いを考える。人の思いというよりは超自然的な思いを見い出すことができると考える。いろいろなものを見た時、いろいろな形でインスピレーションが湧いてきて、それを集積しながら自分の作品の表現を考える。一つのものを見た時、そのものがどうやってできているのか、目的を内面的に深く見ていく。そういう目を持ちたい。私の作品は日常的なものを取り上げているが、人々は別の次元からも作品を見てくれる。皆さんは完成したものを見るだけではなく、なぜできたのかを考えるチャンスにして欲しい。別の見方を提示することによって人々はよりプロセスを理解できる。育った環境や経験によってそれぞれの見方がある。それらの経験や歴史を作品に反映させることは、作品に対しての考え方が一つではないと気づく良い機会になる。決まった概念ではなく、考え方が人それぞれ違うのだということを強調したい。その意味で美術はチャンスを与えるものであり、人々にとって必要なものなのだ。
―ムリンさんの今回の展示作品(鰊箱をイメージした作品)のスライドを見ながら―
観客とつくり手にはボーダーがあるが、それを壊し距離を縮めて目に見えないものを見ていただきたい。作品に込めた私の思いを、どのように見てくれるのかに期待したい。スーパーに行った時、身欠き鰊の箱があってそれに魅せられた。本来の木ではなくスチールにして三個つくったが、どれも保管する目的でつくったもの。全てのものにはシンボル・記号があって、意味がある。全てものはそれによってつくられている。私の作品では日常的なものを取り上げているので、特別な思いを抱かせるかもしれない。箱は何かを入れて保管するもの。これは簡単な定義だが、私が皆さんの前に箱を並べているのは、中に入れるものを考えるのは私ではなく皆さん自身であり、私の作品を通して楽しんでいただくことを望んでいる。
―ムリンさんの展示作品(フリーザーをイメージした作品など)のスライドを見ながら―
冷蔵庫は何かを入れるものと思っていないだろうか。冷蔵庫の部品は一つ一つとっても素晴らしいと思うが、枠をはずし"冷やす"ために必要な部分だけ取り出してみた。
ギャラリーはいろいろなイメージを考える場所。青森のイメージ(雪が多いとか、木にかぶっている雪とか…)を盛り込んで伝えていきたいと思う。いずれも経過を表したいのであって、最終的なイメージには影響されないで欲しい。
―1998年にアメリカで開催された個展の展示作品のスライド数点を見ながら。写真は細かい部品に分解された自動車。―
アメリカから帰国するにあたって、それまで7年間生活を共にしてきた中古車をどうするか考えた。車はトヨタのターセルで、売るとしたら100ドルにもならないと知り、車を分解することにした。1台の車に論理的な概念が詰め込まれている。いろいろなパーツが一つ一つの順序を経て接続されているのだ。それを思った時、このような作品に仕上げていきたいと思った。
§
車のナンバープレートのディスプレイ。奥のビデオには自分の日常。両サイドに置いた2枚の写真には車の製造会社や年月日が記されている。エンジンの横に掲示板を置き、この車にこれまでどのようなことがあったのか、その歴史を記した。この作品のタイトルは「フリーダム・ムーブ」(自由に動く)で、何事にもとらわれず、自由に動くことを表している。この作品を通し、ある人は車のこと、ある人は街のイメージを抱くが、それはいろいろな考え方ができるということ。作品を展示する場所・国・見る人の経験などで見方が違うなら、同じ作品とは言えない。状況によって作品はどんどん変わるのだ。
―昨年、韓国で行った展示会のスライド。タイトルはトラベル(旅行)。―
トラベルというのは、結局同じところに戻ってくるもので、それをイメージした。ポイントは電気と冷却ガスで、プラス極とマイナス極のイメージ。電気はフロンガスが流れて周りのものを冷却するのだが、プラスとマイナスがスタートし、再び戻ってくることを作品で伝えたかった。
§
ここにそれぞれ箱があるとする。中に入っているものを考えるのは皆さん。一つ一つ細かく壊して分けて見せると、それらパーツの一つ一つが思い出として蘇ってくる。想像して楽しんでいただければと思う。小さな部品でも想像する楽しみを共有したいと思ってつくっている。どうか既成概念を取り払い柔軟にものごとを見て欲しい。出来上がったものだけで作品を捉えるのではなく、ものの見方自体が楽しい時間を与えてくれるのだ。
私は完成された作品はつくらない。プロセスを見て想像して遊んで欲しい。こういった作品をつくるのは、目の前にあるものは完璧なものではないこと。作品を見て、本物かにせものかを見るのではなく、いろいろな見方があるのだという考え方を培って欲しい。これからもいろいろなアイディアを膨らませながら、作品づくりをしていきたいと思っている。
同じ表現が何回もあったり言葉足らずで少しわかりずらいかもしれませんが、ムリンさんの世界を忠実に紹介したかったため、なるべく通訳された言葉どおりにと心掛けたつもりです。皆さんには言葉の奥にある真実を見つけて、ぜひとも作品の中に仕組まれた!?感動や興奮を感じ取っていただければと思います。そしてそのことが、作家と私たちの間で、アートを共有できる一つの方法だと考えます。
文:角谷(広報班)
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